高強度コンクリートの特徴
- 組織が緻密であるため中性化や塩化物イオンの浸透に対する抵抗性に優れている。
- 水セメント比が40%以下になると中性化速度は極めて遅くなり、30%以下ではほとんど進行しなくなる。
- 粘性が大きくなるためスランプが大きい場合でも材料分離が生じない。
- 粘性が大きくなるためにブリーディングが生じなくなり、仕上げが困難となる。
- そのため霧吹きなどを用いて表面に適量の水分を散布するとよい。
- 高強度化を目的としてシリカフューム、高炉スラグ微粉末等の混和材が用いられる。
施工上(施工計画含む)の留意点
- ポンプ圧送時の圧力損失が普通コンクリートの2~4倍となる。また、圧送によってスランプフローが低下するなど、コンクリートの品質変動がるので、施工計画でこれらを考慮する。
- 具体的には事前の試験練りにより最適練混ぜ時間やミキサの製造能力の確認が必要である。
- 圧送時に閉塞する場合は、①単位粉体量を増加させる、②細骨材率を大きくするのいずれかの対処を行う。
- 単位粉体量を増加させるとより圧送負荷が生じるため施工条件に応じて調整する。
- 凝結が遅い傾向にあるため、型枠に作用する側圧は液圧とする。
- ブリーディングがほとんど生じないため、夏季にはプラスティック収縮ひび割れやコールドジョイントが生じる恐れがある。そのため仕上げ後にただちに散水するか、合成樹脂エマルジョンの膜養生を散布する必要がある。
- 高単位水量のため温度ひび割れの対策が必要となる。