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【H29、回答例】プレストレストコンクリート構造物特有の初期欠陥1つとその発生原因、構造物に与える影響、設計上および施工上の留意点【技術士・建設部門 コンクリート Ⅱー1-5】


 こんにちは、masaです。技術士二次試験の対策として過去問の回答例を準備するということをしています。回答例集はこちらからどうぞ。

 なお、内容については独断と偏見まみれのため、自己責任により参考にしていただければと思います。

 内容については、もっといい回答が思い浮かんだら変更したりします。

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 問題文(全文)

「Ⅱー1-5 プレストレストコンクリート構造物特有の初期欠陥を1つ挙げ、その発生原因と構造物に与える影響及び設計・施工両面からの防止策を述べよ。」

 

(1)初期欠陥の原因と影響

 低スランプが原因となって充填不良となり、豆板が発生する。コンクリートと鋼材の一体性がないため所定の断面性能が得られず、また、コンクリートが密実ではないことから劣化しやすい構造体となる。

 

(2)設計上の留意点

①コンクリートの流動性を改善する。

・粒度分布、粒形の良質な骨材を用いる

・粗骨材最大寸法を大きくする。

・減水剤を用いる。

②配筋条件を見直す。

・鋼材間のあきを大きくするために使用する鋼材を太径とする。

・鋼材間のあきを大きくするために断面寸法を大きくする。

 

(3)施工上の留意点

・振動機を用いてよく締固めを行う。

・ポンプ圧送が長距離化しないように計画する。

・適宜スペーサを用いて設計どおりの配筋とできるように調整する。

 

解説(と思っています。)

 プレストレストコンクリートはスランプ8cm程度の硬練りであり、近年の耐震設計の考えに基づいて構造物は高密度配筋のため充填不良となるという流れとしています。

 設計上の対策として①流動性を改善する、②配筋条件を見直すの2つについて書いています。

 施工上の対策としては基本的な内容である①振動機でよく締固めを行う、②長距離圧送を避けるということを書いています。

 

原文(案)

 1.プレストレストコンクリート構造物特有の初期欠陥と原因

  プレストレストコンクリート構造物は早期強度発現性が求められるためスランプ8cm程度の硬練りで製造されること、近年の耐震設計の考えに基づいて高密度配筋化されていることから初期欠陥としてじゃんかや豆板といった充填不良が生じてしまう。

2.設計面からの防止対策

①コンクリートの流動性を改善する。

・粒度分布、粒形が良質な骨材を用いる。

・粗骨材最大寸法を大きくする。

・減水効果の高い減水剤を用いる。

②配筋条件を見直す。

・鋼材間のあきを大きくするために使用する鋼材を太径とする。

・鋼材間のあきを大きくするために断面寸法を大きくする。

3.施工面からの防止対策

・振動機を用いてよく締固めを行う。締固め時に締固め間隔や締固め時間に十分に留意する。

・ポンプ圧送が長距離化しないような打設計画を作成する。

・適宜スペーサを用いて設計どおりの配筋とできるように調整する。