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【H27、回答例】プレストレストコンクリートの施工上の不具合に対する設計・施工上の対策【技術士・建設部門 コンクリート Ⅱー1ー6】


 こんにちは、masaです。技術士二次試験の対策として過去問の回答例を準備するということをしています。回答例集はこちらからどうぞ。

 なお、内容については独断と偏見まみれのため、自己責任により参考にしていただければと思います。

 内容については、もっといい回答が思い浮かんだら変更したりします。

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問題文(全文)

「Ⅱー1-6 コンクリート構造物では施工段階で発生する不具合により構造物の安全性や耐久性が損なわれる場合がある。施工段階で発生するプレストレストコンクリート構造物に特有の不具合を2つ挙げ、それぞれについて、原因と設計又は施工上の防止対策を述べよ。」

 

原文(案)

 施工段階で発生するプレストレストコンクリート構造物特有の不具合を2つ挙げ、原因と防止対策を以下に述べる。

1.グラウトの充填不良
 プレストレストコンクリート構造物におけるグラウトは、PC鋼材とシースとの空隙を埋め、PC鋼材とコンクリート部材を一体化するとともに、PC鋼材の腐食を防ぐ働きをしており、強度や耐久性の面で重要な役割を果たしている。グラウトの充填不良の原因の一例として中間支点部でグラウトが先流れを起こし、空気を巻込む充填不良がある。防止対策は、ノンブリージング型のグラウトの採用や、先流れ現象を防止する適度な粘性を持ったグラウトの選定が重要である。施工面での対策としては施工時の変形に強いシースの採用、現場でのグラウト作業を必要としないプレグラウト鋼材の採用などが考えられる。

2.定着具背面のコンクリート破損
 曲線及び斜角を有する場所打ち床版橋の桁端部ではPC鋼材の定着具とコンクリート端面から離れが近くなる場合がある。また、PC鋼材同士の離れも斜角の影響を考慮した配置計画がされていないと、PC鋼材の緊張作業中に局部的な圧縮力によりコンクリートが破壊される場合がある。防止対策は、FEM解析により補強鉄筋量を算定し、十分な補強を行う。曲線及び斜角を考慮したPC鋼材の配置間隔を確保し、局部的に圧縮力のかからない計画とする。