技術士建設部門第二次試験の対策として「新エネルギーの特徴や課題」をまとめておきます。
新エネルギーの定義
1997年に施行された新エネルギー法(新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法)で以下のように定義されている。
『技術的に実用化段階に達しつつあるが、経済性の面での制約から普及が十分でないもので、石油代替エネルギーの導入を図るために特に必要なもの。』
位置付けとしては、再生可能エネルギーの一部として新エネルギーがある。
特徴や課題(資源エネルギー庁資料を参考)
太陽光発電
基本的には設置する地域に制限がなく、屋根や壁などにも取り付けられるが、気象条件によって発電出力が左右される。
風力発電
再生可能エネルギーの中では比較的発電コストが安く、工期も短い。変換効率が高く、風さえあれば夜間でも発電できるが、周辺環境に与える影響や気象条件を考慮する必要がある。
バイオマス発電
動植物などから生まれた生物資源を燃焼したりガス化するなどして発電。CO2を吸収して成長するバイオマス資源を燃料としており、廃棄物の再利用につながる。資源が広い地域に分散しているので、収集や運搬、管理にコストがかかる。
中小規模水力発電(1000kW以下)
大規模なダムは不要で、未利用だった中小河川や農業用水路などを利用できるが、水量や有効落差などに左右される。動植物への影響度調査が必要な場合があり、投資に対する回収期間が比較的長い。
地熱発電(バイナリー方式)
新エネルギーの対象であるバイナリー方式とは、地熱流体の温度が低くて十分な蒸気が得られないときなどに、地熱流体で沸点の低い媒体を加熱し、媒体蒸気でタービンを回して発電する方法。立地地区は公園や温泉などの施設が点在する地域と重なるため、地元関係者との調整が必要。
雪氷熱
冬の間に降った雪や冷たい外気を使って凍らせた氷を保管し、冷熱が必要となる時期に利用する。設置できる地域が寒冷地などに限定される。
温度差熱
地下水や河川水、下水などの水源を熱源としたエネルギー。夏場は水温の方が低く、冬場は水温の方が高い。この水の持つ熱を利用する。イニシャルコストは高い。
最後に
経済産業省の「長期エネルギー需給見通し」によると2030年には新エネルギー+再生可能エネルギーで発電電力量構成の20%程度(現状5%程度)に高める考えとなっている。そのためにそれぞれの新エネルギーの特徴と地域性に応じて導入・運用する必要がある。