暑中コンクリート
定義
日平均気温25℃を超えるときに打設されるコンクリートのこと。
留意点
施工時
- コンクリートの打込み温度は35℃以下とする
- コンクリートの練混ぜ~打込み終了まで1.5時間以内とする
- 打重ね時間間隔は2時間以内とする
- 吸水のおそれのある型枠、地盤は散水して湿潤状態にする
- (舗装コンクリート・ダンプトラック(JIS A 5308)の練混ぜ~荷卸し:1.0時間以内)
- (生コンの打重ね時間間隔は2.5時間以内)
養生時
- 直射日光によるコンクリートの急激な温度上昇を防止し、湿潤に保つ
- プラスティックひび割れを防止するために散水や合成樹脂エマルジョンによる膜養生を行う。
- 養生終了後は、コンクリートが急激に乾燥しないような措置を講ずる
材料・配合
- 急激な水和反応によるスランプロスの増加や温度ひび割れの発生に留意する。
運搬
- 現場到着遅延によるスランプロスの増加に留意する。
- アジテータ車の温度上昇によるスランプロスの増加に留意する。
対策
- 凝結が早まるため作業時間を確保するためにAE減水剤の遅延型を用いる
- 暑いとスランプが出にくいため単位水量が過大となる恐れがあるため、適切な調整を行う。単位水量が過大となると圧縮強度が低下するおそれがある
- なるべく早く打込む
- 入念に締固めを行う。
- 水和熱の小さい低熱セメント、中庸熱セメントを使用する。コンクリートの温度低減に効果の大きい水と骨材をあらかじめ冷却しておく。
- コンクリートの温度を1℃下げるために、セメントは8℃、水は4℃、骨材は2℃ 下げる必要がある。
- 現場到着遅延防止のために運搬計画を入念に行う。具体的には搬入経路、交通事情の把握など。
- アジテータ車の温度上昇防止のために遮光シートをかぶせる、待機場所を日陰にする。
寒中コンクリート
定義
日平均気温4℃以下のときに打設されるのコンクリートのこと。
留意点
設計時
- 吸水率3%以下の骨材を使用する。
- AEコンクリートとする。混合セメントは不可
施工時
- 打込み温度は5~20℃の範囲とし、一般に10℃を標準とする
- 材料は加熱して用いてもいいが、セメントは加熱不可
養生時
- -3℃以下では給熱養生して養生温度を5~20℃に保つ
- 強度5N/mm2まで5℃以上を保ち、その後2日間は0℃以上を保つ
対策
- 凍結融解の膨張・収縮に抵抗できるようにAEコンクリートとし、微細な空気泡(直径300μm=0.3mm)を5%程度連行させる
- 気泡間隔係数を0.2mm以下とする。
マスコンクリート
定義
コンクリート標準示方書
『おおよその目安として、広がりのあるスラブについては厚さ80~100cm以上、下端が拘束された壁では厚さ50cm以上のコンクリート』
留意点
設計時
- ひび割れ誘発目地をひび割れが発生しても構造上影響のない位置に設ける。
- リフト高さ、継目位置・構造、打継時間間隔を検討・設定する。
- 中庸熱セメント、低熱セメントを用いて、水和熱の低減を図る。
施工時
- 単位セメント量、単位水量をできるだけ少なくし、AE減水剤遅延型を用いることで温度上昇を小さくする。
- 保温性の良い木製の型枠を使用し、型枠の存置期間を通常より長くする。
- 打込み温度はあらかじめ計画された温度を超えてはならない。
- コンクリートの打込み温度は25℃以下とする。
- コンクリート製造時に水や骨材を冷却する。コンクリートの温度を1℃下げるために、セメントは8℃、水は4℃、骨材は2℃ 下げる必要がある。
養生時
- 内部温度が上昇している期間は、表面部の温度が急激に低下することがないように養生を行う。
- 内部温度が最高温度に達した後は、内部と表面部の温度差および内部の温度降下速度がおおきくならないような方法で養生する。
- コンクリート部材内外の温度差が大きくならないよう、コンクリート温度をできるだけ緩やかに外気温に近づける。
- パイプクーリングの通水温度が低すぎるとひび割れの発生を助長することがあるので、コンクリートと通水温度の差は20℃以下とする。
- 型枠取外し後もコンクリート表面の急冷を避けるため、シート等によるコンクリート表面の保温を継続する。
関連リンク