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中性化、アルカリ骨材反応、塩化物イオンの侵入、凍結融解、化学的侵食によるコンクリートの劣化機構と対策【技術士・建設部門 コンクリート】


 

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中性化

機構

空気中のCO2により、コンクリート中の水酸化カルシウムが炭酸カルシウムとなり、アルカリ性が失われる。鉄筋位置まで中性化すると不動態皮膜が破壊されることで鋼材がさび、コンクリートは鋼材軸方向に膨張ひび割れが生じる。なお、湿潤よりも乾燥のほうが進行が早い。

 

対策

  • ①普通ポルトランドセメントを用い、②水セメント比を50%以下とし、③かぶりを30mm以上とする。
  • 混合セメントは中性化速度を上昇させるので気を付ける。

 

劣化状態の判定

 アルカリ性を保持している部分はフェノールフタレイン溶液を噴霧すると赤紫色に呈色するのに対し、中性化している部分は無色となり、噴霧した部分の色により中性化を判定することができる。

 

アルカリ骨材反応

機構

骨材のシリカ分とセメントによりアルカリ性を呈した水溶液が反応し、異常膨張することでコンクリートに亀甲状のひび割れを発生させる。

 

対策

  • アルカリシリカ反応性試験で区分A「無害」の骨材を使用する。
  • 混合セメントを使用する。←アルカリの供給を抑える。
  • アルカリ総量を3.0kg/m^3以内とする。
  • コンクリート表面に撥水材等を塗布する。

 

 

塩化物イオンの侵入

機構

コンクリート中の塩化物イオンあるいは海水や凍結防止剤によりコンクリート表面から塩化物イオンが浸透することにより、不動態皮膜が破壊され、鋼材が腐食・膨張することでひび割れが生じる。

 

対策

  • 混合セメントを使用する。←塩化物イオンの供給量を抑える。
  • 水セメント比を小さくて密実なコンクリートとする。
  • エポキシ樹脂鉄筋を使用する。
  • 表面被覆や電気防食を行う。

 

その他

 塩化物イオン量は0.3kg/m^3以下とする。無筋コンクリートの場合は購入者と協議し、0.6kg/m^3とすることも可。

 

劣化状態の判定

 塩化物イオン量は1.2kg/m3以上となると不動態皮膜が破壊され、腐食すると考えられている。塩化物イオン量自体はコア採取し、粉砕することで測定ができる。

参考文献:http://www.j-cma.jp/?cn=102632

 

凍結融解

機構

コンクリート中の水分が凍結することで約9%体積膨張し、ひび割れが生じる。

 

対策

  • 凍結しないようにする。→①強度が5N/mm2までは5度以上で養生する。②その後2日間は0度以上で養生する。
  • 凍結融解に抵抗性があるAEコンクリートとする。
  • 気泡間隔係数を0.2mm以下とする。

 

劣化状態の判定

 凍結融解の影響でスケーリング(骨材面が露出する剥離) 、ポップアウト(具体的な壊れ方を記載)という特殊な損傷となるため、これにより判定する。

 

化学的浸食

機構

温泉水、工場排水などの強酸あるいは強アルカリの水による浸食で、変色、剥離、骨材露出が生じる。

対策

  • 暴露試験により水セメント比の上限値を定める。
  • かぶりを大きくする。
  • 密実なコンクリートとする。

 

 

コメント

対策として、

  • かぶりを大きくし、密実なコンクリートとする。

が有効になる劣化要因は「中性化、塩化物イオン、化学的浸食」と広範囲におよぶため困ったら「かぶりを大きくし、密実なコンクリートとする。」と書こう。

加えて、かぶりはともかく「密実なコンクリート」はコンクリートとして基本的な要求性能のように思います。

 また、単位セメント量を低減するためには以下の方法があります。

  • 配合強度の管理材齢をできるだけ長期にとり、単位セメント量を低減する。
  • 施工上、所要の品質が得られる範囲で低スランプとし、単位水量・単位セメント量の低減を図る。
  • 高性能AE減水剤、流動化剤などの化学混和剤の使用により、単位水量・単位セメント量を低減する。
  • 粗骨材最大寸法を大きくし、単位水量・単位セメント量を低減する。
  • 所要のワーカビリティーが得られるような良質な骨材を使用し、できるだけ単位水量・単位セメント量を少なくする。

 

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