図書館で本を借りて、適当に読み流すことの多い僕ですが久しぶりに本を買いました。
身銭を切ると「せっかく買ったんだから…」となり、ちゃんと読もうと思えますね!
買ったのは「現役東大生が1日を50円で売ってみたら」という本。というか僕自身も高野くんを購入(?)させていただき、その後の経緯をブログ等を通して知っていて、本を出版されることまでバッチリ知ってたんですけどね笑
拙い書評ですが、「知人が本を出す」というレアな経験の記念と「この本の良さを一人でも多くの人に伝われば」と思い、一所懸命書いていきたいと思います。
書籍とブログの違い
正直、初期のブログからほぼ全て見てきたので「ブログと同じなら買わなくてよくね?」と思っていたので個人的にブログと違った(と思われる?)点について書いていきます。- 話ごとに「後日談」があって、サイドストーリーや補足が書いてあったりする。
- 便器の授業、やれたかも委員会、「東大生に、50円の価値はない」はブログに書いていなかった気がする。
- 「あとがき」がある。
- 正直、「あとがき」と「東大生に、50円の価値はない」が面白い。この二つがこの本のおもしろさの8割を占めていると感じました。本の一番最後とその一個前という構成となっているのですが、最後の方に面白いものを持ってくる構成が「すげーな」と思いました。
本として思ったこと
- 圧倒的に読みやすい。ブログって基本的に文章やレイアウト含め、「いかに見やすくして、いかに読みやすく、伝わるようにするか」を主眼に置いて作っていくと思います。文字の多さを調整する、漢字をあまり使わない、漢字とひらがなのバランスを考える、見出しを入れる、太字、色に配慮するなど。ブログのそんな文体・構成のまま本になったのがこの本。なので「理解ができずに前のページに戻る」ことなく1時間くらいでザクッと読了できました。
- 内容のレンジが幅広い。目次を見ると一発でわかりますが、発達障害の子と、数学。夜の社会、キャバクラ。密着、地方議員。やれたかも委員会、御徒町など。要はまじめな社会系と卑猥なエロ系が混在しているのが面白い。フツーの本はどっちか片方しか扱わないのに「現役東大生が1日を50円で売ってみたら」では両方扱ってるのが新しい。それが成立するのは卑猥なエロ系と社会を結びつけたり、高野くんの人生観と照らし合わせて「それはどうなの?」という「考え」があるから許されるし、成立するんじゃないかな?と思いました。
結局は高野くんの個性があったからこの企画は成立したのでは?
- 彼のまじめさの象徴である「どんなことにも問題意識を持つこと」、「人のことも親身になる姿勢がある」、「問題を抱えている人に対して、どんなことができるだろうか、世の中に対してどんなことができるだろうか」っていうスタンス持つ個性があったから単なるエロで終わりもしないし、読者へ社会的な問題について「考えさせられる」機会を提供できたんじゃないかと思っています。
「個性を持つこと」を考えさせられた。
- 高野くんは高校までは「勉強ができる人」という個性を持っていたけど、東大に入ったら周りの人がみんな勉強ができる人しかいないから「量産型大学生」に成り下がったと語っています。その経験から個性、アイデンティティ、オリジナリティ、自分らしさその他諸々を知りたくて、「50円を売る」企画を始めたようです。ブログを書いている人にも似たようなところがあると思います。「どんな情報を提供したら他人にとって価値があるのか」、あるいは「自分もしくは少数の人しか書けないことはないのか」って考えていて、それはほぼ「個性を持つこと」とイコールだと思うんですよ。その「個性を持つこと」に対して高野くんはある種「幻想である」と結論付けています。この企画を通して個性を見つけるための「鮮明に世界が変わる何か」に出会うことはなく、見つかったのは「出会ったひとたちは、その人たちの世界で必死に生きている」というリアルだったそう。それを目の当たりにして「目の前のことに向き合う」ことの重要性を認識したそうです。ブログを書いている人も結局そうなんだと思いました。結局、「個性=その人しか持っていない情報」なんてそれこそないし、既にある「情報」を書き直すだけなんですよね。基本は。ただし、書き直す中で書く人の「情報」のまとめ方、切り口、表現の仕方で付加価値を与えることはできますし、「誰か」にとっての新しい情報の入り口となる機会を提供したのなら価値のあることのように思います。自分ができることは目の前にあることを考えて、工夫をして「少し形を変えて」誰かに渡していくことように思いました。そんなに大きなことではないですが、それこそが大事にしていくべきことのように感じました。
高野くん流ライフハック
書店で本を買おうかどうか悩んだら、とにかくあとがきを読むことにしています。著者の思いや願い、執筆する過程での葛藤や成長が、ミチッとあとがきに凝縮されている気がするからです。良いあとがきの本は良く、自分に合わない場合は合わない。まずはあとがきを読めば、著者の人柄と本全体の空気感がおおよそわかる、そう言っても過言ではないかもしれません。
これは今度試してみよう。
初体験
初めて知人が書いた本を読みました。書き手の顔を思い浮かべながら読む本はこれが初めてでした。「自分の知ってるひと」が書いた本を読む機会はもう二度とないかも知れません。不思議でした。
おわりに
高野くんと初めてあって早1年、ありがたいことに細々と交流があったりもしています。借りた本もまだ返していませんし、読んでいません(だって難しいんだもん)。
フツーの大学生って「なんとなく大学いって、なんとなく興味のある会社に勤めて」っていうのが大半なのに対して、出会った時から哲学者のように「なぜ学ぶのか、なぜ生きるのか?」的なことを言葉にしていて「さすが、東大生は違うな」と思わされました。また、僕の持っていた「東大生」のイメージとは違い物腰が柔らかくて驚いたことも記憶に新しいです。そんな彼の「50円企画」を見ていて、「面白いことしてるなぁ」と思っていたら、本を出版するに至り、リアルタイムで物事が進行していくのを目の当たりにして楽しかったです。ありがとうございます。
まぁ、本人が色んな経験して一番楽しかったでしょうね!
最後に「借りている本」と「高野くんの本」のアフィリエイトリンクを張っておわりたいと思います笑
▼この本も面白いらしいです。僕は読んでませんが。