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【H29、回答例】コンクリート非破壊検査の原理、測定上の留意点、測定結果を活用する際の留意点【技術士・建設部門 コンクリート Ⅱー1ー6】


 こんにちは、masaです。技術士二次試験の対策として過去問の回答例を準備するということをしています。回答例集はこちらからどうぞ。

 なお、内容については独断と偏見まみれのため、自己責任により参考にしていただければと思います。

 内容については、もっといい回答が思い浮かんだら変更したりします。

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問題文(全文)

「Ⅱ-1-5 既設コンクリート構造物の調査・点検で利用する試験について、次のうちから2つの方法を取り上げ、原理、測定上の留意点、測定結果を活用する際の留意点について記述せよ。

(a)反発度法によるテストハンマー強度の推定

(b)赤外線サーモグラフィ法(パッシブ法)による内部結果の推定

(c)電磁波レーダ法によるかぶり厚さの推定

(d)自然電位法によるコンクリート中鋼材の腐食状況の推定」

 

原文(案)

(a)反発度法によるテストハンマー強度の推定

①原理

 バネなどの力を利用した重錘でコンクリート表面を打撃し、その反発度からコンクリートの圧縮強度を評価する試験法

②測定上の留意点

・厚さ100mm以下の薄い部材には適用できない。

・気乾状態の箇所で測定することを原則とし、濡れている箇所は避ける。

③測定結果を活用する際の留意点

 簡易に非破壊結果によって測定することはできるが、あくまで推定であるため、高精度が必要な場合はコア採取による圧縮強度の実測を行う必要がある。

 

(b)赤外線サーモグラフィ法(パッシブ法)による内部結果の推定

①原理

 コンクリートの欠陥部と健全部はコンクリート表面に特異な温度変化が生じることから、この表面温度差を赤外線カメラで撮影することにより、浮き、剥離を検出する

②測定上の留意点

・温度差を利用するため一日の日射受熱量が最大となる時間帯を狙って計測するのが望ましい。

・温度差の少ない箇所では測定精度が低下する恐れがる。

③測定結果を活用する際の留意点

検出できる深度は表面から50mm程度であり、それ以深の検出は難しい。

 

(c)電磁波レーダ法によるかぶり厚さの推定

①原理

 電磁波は金属を透過せず、金属の表面で反射する性質を利用した非破壊試験である。金属表面からの反射波の到着時間や強度などを測定し、波形を画像化して鉄筋位置の推定を行う。

②測定上の留意点

 コンクリートの含水率が高い場合、コンクリート表面が濡れている場合は測定精度が低下することに留意する。

③測定結果を活用する際の留意点

 反射波形の判定・評価は技術者の経験・技量に左右されることに留意して結果を活用する。

 

(d)自然電位法によるコンクリート中鋼材の腐食状況の推定

①原理

 コンクリート表面に外部電源を当てて、鋼材の自然電位の分布を測定し、鋼材の腐食箇所と非腐食箇所で電位が異なることを利用する。

②測定上の留意点

・測定装置のキャリブレーションが必要である。

・乾燥している場合には適用できない。測定の30分前には湿潤状態とする必要がある。

③測定結果を活用する際の留意点

 かぶりコンクリートの状態(含水率・塩化物量・中性化)によって真の値からばらつきが生じる。