運搬時間
- 生コン(JIS A 5308):90分(練混ぜ~荷卸し終了)
- 暑中コンクリート:90分(練混ぜ~荷卸し地点に到着)
- 舗装コンクリート・ダンプトラック(JIS A 5308):60分(練混ぜ~荷卸し)
暑中コンクリートの定義
日平均気温25℃を超えるときに打設されるコンクリートのこと。
打ち重ね時間間隔
- 許容打ち重ね時間間隔は、暑中コンクリート(外気温が25℃を超える場合)は2時間以内、25℃以下の場合は2.5時間以内とする。
打込み
- 打ち込み作業中には、型枠や鉄筋が所定の位置から動かないようにする。
- 打ち込んだコンクリートは型枠内で横移動させてはならない。
- 1層の打ち上がり高さは40~50cm以下を標準とする。
- 2層以上に分けて打ち込む場合は、上下層が一体となるようにする。
- 許容打ち重ね時間間隔は、外気温が25℃を超える場合は2時間以内、25℃以下の場合は2.5時間以内とする。
- 壁や柱の打ち上り速度は30分あたり1.0~1.5m程度とする。
- 表面にブリージング水が集まった場合はこれを取り除いてから打設する。
- 打ち込み中に著しい材料分離が認められた場合は、打設中断して分離抑制方法を講じる。
- 計画打継目以外では、打ち込み完了まで連続して打ち込む。
- 型枠高さが高い場合には、型枠に投入口を設けるか、縦シュートあるいはポンプ配管の吐出口を打ち込み面付近まで下げる。
- シュート、ポンプ配管、バケット、ホッパ等の吐出口と打ち込み面までの高さは、1.5m以下を標準とする。
- 柱・壁からスラブ・梁のような断面変わりの部分は、連続して打ち込むのではなく、沈下ひび割れを防止するために沈下がほぼ終了してから打ち込む。
- コンクリートを直接地面に打ち込む場合は、あらかじめ均しコンクリートを敷いておく。
沈下ひび割れとは
鉄筋のない部分のコンクリートは拘束を受けないため時間と共に沈下する(材料分離の1つであるブリーディングにより)。鉄筋のある部分のコンクリートは鉄筋による拘束を受けるため時間に関わらず同じ位置に固定される。
鉄筋のある部分のコンクリートは、鉄筋のない部分のコンクリートの沈下によって引張力が生じ、ひび割れが発生する。このひび割れを沈下ひび割れ(沈みひび割れ)という。
参考文献:コンクリートの沈下によるひび割れ大全集【特徴・要因・メカニズム・予防】 | コンクリートメディカルセンター
ひび割れが発生しないようにするためには単位水量、水セメント比を小さくする。ひび割れが発生した場合はタンピング、再振動で処置する。発生後に迅速に対応するのが良い。
タンピングとは
コンクリートの表面をコテや細かい網目状の器具により軽く叩いて成型すること。
締固め
- 内部振動機はコンクリートを横移動させる目的で使用してはならない。
- 内部振動機は下層のコンクリートに10cm程度挿入する。
- 内部振動機の挿入間隔は50cm以下とする。
- 内部振動機の1ヶ所あたりの締固め時間は5~15秒を目安とする。
- 内部振動機は鉛直に挿入する。
- 内部振動機は徐々に引き抜き、後に穴が残らないようにする。
- 再振動を行う場合は、締固めができる範囲でなるべく遅い時期に行う。
養生
- コンクリートの内外温度差を小さくするために鋼製型枠の代わりに保温性の良い木製型枠を用いた。(寒中コンクリート・暑中コンクリート)
- ブリーディングの発生が少ない場合は水を噴霧したり、膜養生したりする。(高強度コンクリート・暑中コンクリート)
- 直射日光によるコンクリートの急激な温度上昇を防止し、湿潤に保つ。(暑中コンクリート)
- 仕上げ作業後に沈下ひび割れが発生している場合は、凝結始発前にタンピングを行う。
- 上面に浮き出てくるブリーディング水が多いときは除去して養生する。
- 気温が低い場合は十分な養生時間を確保する。(寒中コンクリート)
- 振動、衝撃、荷重などの有害な作業に対して保護しなければならない。
水密性の高いコンクリート
- ワーカビリティを確保しつつ水セメント比を小さくするために高性能AE減水剤を用いる。
- シリカフューム等のポゾランを用いて密実なコンクリートとする。
- 粗骨材の最大寸法を一般の場合よりいくぶん小さくし、実積率の高いものを用いる。
- なるべく打継目を作らないように設計・施工する。
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